ガーデン(庭)

「住まう人が休日にほっと落ち着ける時間を過ごせる庭」
「季節や時間の流れを生活の一部としてとりいれられる庭」・・・。

私たちが和風庭園を手掛ける時に思いうかべるテーマです。

最近では洋風の住宅が多くなり、和風の庭は少なくなりつつありますが、和風の庭を作る会社が少なくなっているせいか、幸泉では以前と変わらず、個人住宅や店舗などでの和風庭園の依頼をいただくことが多いです。近年ではシンプルモダンな住宅に似合う、モダンな和風の庭の設計・施工も増えています。

 

古さと新しさが共存する小庭

三重県鈴鹿市の南に位置する街の中の住宅です。
10年ほど前に、外構と庭のプランニングをご依頼いただきました。

施工前はお客様の趣味の小屋の前は手がつけられないほど草が生えておりました。「こざっぱりと。気に入っている場所なので内容はおまかせで。」との要望がありました。

ヒマラヤスギの生垣が茂り、真ん中には大きいキンモクセイが茂り、草が茂っているのをみて、草庵風のイメージで、自然な風合いの庭にデザインしています。自然石を使った庭に、直線と市松模様で構成された幾何学的なデザインを融合させることで、変化のある和風の庭になりました。

通路や家の中、テラスからといろいろな位置に立ってみると、それぞれ違った風景が広がり 色々な発見を楽しめます。

 

集い、見て、楽しむ 和庭

三重県鈴鹿市にある清和小学校に隣接した、清和公民館の南側に小庭をつくりました。

スモールガーデンと言えるくらい奥行きが狭く、横に長いスペースでした。小学校に隣接していることもあり、世代間の交流がこの場所であることを考え、素材を厳選し、「古くて新しい庭」を念頭にデザインしています。

御影石の平板でつくばいの踏み石をつくり、古い味わいのあるつくばい石を据え付けています。

主木には、季節によって色彩の変化を見せてくれる落葉樹のイロハモミジを植えました。 景石の周りには低木を配し、花の時期、葉の色、季節による変化を考慮しています。大勢の目に触れる場所ですので安全面も考慮に入れたうえ、各部分にわたり細やかな施工となりました。

 

海の見える丘の現代和風の庭

三重県鈴鹿市の住宅街の高台にある現代和風の庭園です。

擁壁越しに遠くに見える静かな伊勢湾を借景に、庭に波立つ海原を表現するため、景石に恵那石を用いることで揺れる波間をダイナミックに表現しました。

メンテナンスが容易な庭にするため、植栽は控えめに配し、地被植物はタマリュウとフッキソウなどをセレクトしました。植栽は潮風をまともに植える場所にありますので、耐潮性のある樹木を選んでいます。

通路を挟んだ小庭には、おおらかで自由な感じのする和庭とは対照的に整然とした静かな空間をデザインしました。形の整った天然素材である石材を多用し、凛とした高さのバランスを考慮しています。静と動がバランスよく混在した庭に仕上げています。

 

街並みの美しさに配慮したエクステリアと庭

三重県亀山市の関町は東海道の宿場町として栄え、今も昔の面影を残す古い町並みが地元の方々によって保存されています。

東海道沿いにあるこの家は、建て替えの際に街並みの保存の目的で、街路沿いに木造の塀を作ることで建て替えを許可されました。建物は古い街並みのなかにありますが、セキスイハイムさんのタイル貼のモダンな建物でした。

そこで、お客様から古い和と現在のモダンさを調和させるエクステリアと庭をつくりたいとの依頼をいただきました。

素材の色調をモノトーンでまとめ、直線的な形状でデザインすることで、モダンで落ち着いた雰囲気にしています。

階段の段差は10cm程度に抑え、介助付きで車いすが昇降できるようにしました。和庭には建て替え前の古い家にあった灯籠をつかってほしいとの希望がありましたが、その数15基以上と数が多かったため、古い平板を敷き詰めた広場の周囲に並べ、灯籠の展示に見立てています。

また、日当たりの良い洋庭には果樹を植え、季節の移り変わりを見て、食べて、みんなで楽しめるよう庭を設計しました。時が経つにつれて、より落ち着きのある庭になっていくのが今から楽しみです。